四柱推命

▼四柱推命(しちゅうすいめい)

四柱推命とは、六十干支を用いた暦を元に、生年月日時から四柱(年柱 月柱 日柱 時柱)を算出し、その構成から運勢を判断する占術になります。
古代中国では、日(数)の数え方に十干を用いていました。十干とは、「甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸」の10の要素であり、1~10の数の数え方にもなります。
また、古代中国の天文学における天球分割法の一つでもある、十二辰(じゅうにしん)では、現在の十二支が用いられていました。
十二支とは、「子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥」の12の要素になります。
この十干十二支が合わさり、六十干支が生まれます。

古代中国では、この六十干支を用いて日の計算をしていたとされています。
また、古代中国で生まれた陰陽思想と、その後に生まれた五行思想などと合わさり、陰陽五行思想と共に六十干支を用いた暦も体系化されていきます。

陰陽思想とは、古代中国の神話に登場する「伏羲」が考案したとされる思想であり、森羅万象のあらゆる物事は全て「陰と陽」から形成されるという考え方になります。
全ての物事には「陰」と「陽」との2つの側面があり、全て対を成しているという考え方になります。
光が有れば影があり、男性が居れば女性が居る、前が有れば後ろがあり、上が有れば下がある。
積極的であれば消極的もあり、硬いものがあれば柔らかいものがあり、天が有れば地があるという思想になります。
陰陽思想では、どちらか一方だけでは成り立つことが無く、二つのものが対となって存在するというのが基本概念になります。

五行思想とは、古代中国の夏王朝の始祖となる「禹」が考案したものとされています。
古代中国で生まれた自然哲学の思想であり、万物は五行から成り立つというのが基本概念になります。
五行とは、「木 火 土 金 水」の五行であり、これら5つの要素が、万物を形成しているという考え方になります。
この五行が、それぞれ影響し合うことで様々な自然事象が発生し、自然が成り立っているという思想になります。
自然界はこの五行の絶妙なバランスにより成り立ち、その五行の配分が物事の性質を決めるという考え方になります。

この陰陽思想と五行思想とが組み合わさり、陰陽五行思想が誕生していきます。
森羅万象の全てを、この陰陽五行思想で考えていくことが基本となり、中国の占術が体系化されていくことになります。
これまでに存在していた「十干」「十二支」に対しても、この陰陽五行思想が適応され、現在の六十干支の考え方の基本構成が誕生します。

十干を陰陽五行思想の視点で捉えると、「甲(きのえ) 乙(きのと)」は木行の陽と陰になり、「丙(ひのえ) 丁(ひのと)」は火行の陽と陰になります。
「戊(つちのえ) 己(つちのと)」は木行の陽と陰になり、「庚(かのえ) 辛(かのと)」は金行の陽と陰になります。
「壬(みずのえ) 癸(みずのと)」は水行の陽と陰になるといった具合に、十干に陰陽五行思想が組み込まれていきます。

十二支を陰陽五行思想の視点で捉えると、「寅(とら) 卯(う)」が木行の陽と陰であり、「巳(み) 午(うま)」が火行の陰と陽になります。
「申(さる) 酉(とり)」が金行の陽と陰になり、「亥(い) 子(ね)」が水行の陰と陽になります。
「丑(うし) 未(ひつじ)」が土行の陰になり、「辰(たつ) 戌(いぬ)」が土行の陽になります。
十二支は、天球分割法でもあることから、360度の方位を表すというのも基本概念にあります。
「真北が子」であり、「真南が午」であり、12方位各30度ずつを表すのが十二支でもあります。
そのため、五行思想における木行の示す東の方位にあたる卯が木行となり、金行の示す西の方位にあたる酉が金行となります。
土行の示す中央は、各方位の中間点を示し、「丑 辰 未 戌」が土行となり、他の四行の境目に位置することになります。
また、十二支を陰陽で現すと、子から順に陽、陰~となり、上記の十二支の五行と陰陽が体系化されることになります。

十二支は、これ以外にも月を表す要素でもあり、「子月(12月) 丑月(1月) ~」というような意味合いも持ちます。
これは冬至(日の一番短くなる日)を含む月を、暗く陰が極まる月であり北方を表す子と関連させて子月にしたとされます。
これから陽が長くなり始める冬至を含む月を、十二支の始めの要素の子を割り当てたというような考え方でもあります。

このように、十干十二支を用いた暦が体系化された背景には、狩猟民族から農耕民族へ移行していくという流れがあります。
農耕民族になった古代中国の統治者(秦の始皇帝説)は、国の繁栄を考える際に、農作業の収穫が非常に大事な要素になっていきます。
そのために、農作業をしやすい暦の作成が国家の大事でもあり、そのことからこの六十干支を用いた暦が体系化されていくことになります。
二十四節気や、七十七候はこの過程で生まれた物であり、農作業の効率化と適切な時期を考慮する目安とされてきました。

体系化された六十干支を用いた暦は、自然界の法則を表すものであり、この暦を研究して人の生年月日時から、その人の持つ性質を考察するのが四柱推命の基本ともなります。
古代中国から延々と続く暦を用いた占術でもあり、陰陽五行思想の背景や、自然界の法則を体系化したものでもあるため、四柱推命は占術の帝王とも呼ばれています。
また、古代中国の陰陽五行思想などから生まれた様々な占術の基本的な概念でもあり、東洋占術の基本ともなる重要な占術が四柱推命でもあります。
(中国や台湾では、子平や八字などと呼ばれており、四柱推命は日本独特な呼称です。)

鑑定時には、四柱推命でその人の人間性や性格、潜在能力や人生における癖などを考察していきます。
人生の目的やそれを達成するための手段、向き不向きや物事の考え方、感情の起伏や運勢の波などを考慮します。
依頼者の性質を確認するだけではなく、対象となる相手が居る場合には、相手の性格や運勢、趣味嗜好や感情の起伏、恋愛や結婚の向き不向きなどを考察します。
婚期や仕事での成功度合い、金銭感覚や向上心など、実に様々な要素が四柱推命では読み解くことができます。
その考え方は、生まれた時の潜在的な能力や運勢傾向であり、その後の努力や環境により、誰でも人生を切り開き成功する好機は訪れるというのが基本になります。
人生や運命は決まりきったものではなく、あくまでその傾向や性質を持つという考えであり、それを最大限に生かして成功して幸せになるというのが四柱推命の基本的な鑑定法になります。

四柱推命では上記のような、六十干支を元に、その組み合わせから鑑定をしていきます。
通変星や十二運、旺弱や喜忌、空亡や四神殺、合や冲など様々な考え方が四柱推命ではありますが、そのすべては四柱の六十干支の組合せでもあります。
この四柱の六十干支組合せが八字に表され、この八字を様々な視点で考慮し、掘り下げていくのが四柱推命でもあります。

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